任意後見契約における見守り契約・財産管理等委任契約の位置付けについて

2024年8月8日 2024年8月9日

tsuyoshi

任意後見に関する記事(こちら)を書きましたが、その中で見守り契約や財産管理等委任契約のことをを書きました。

この見守り契約や財産管理等委任契約についてもう少し詳しく説明します。

任意後見契約とは？

任意後見契約は、本人が判断能力を有しているうちに、将来判断能力が低下した際に後見人に自身の生活や財産管理を任せる契約です。この契約により、本人の意思を尊重しつつ、適切な支援を受けることができます。しかし、任意後見契約だけでは、判断能力が低下する前の段階や、死後の事務に対する対応が不十分となることがあります。そこで、見守り契約や財産管理等委任契約が重要な役割を果たします。

見守り契約とは？

見守り契約は、本人の判断能力が低下する前の段階で、定期的に本人の生活状況や健康状態を確認する契約です。具体的には、定期的な訪問や電話連絡を通じて、本人の生活に問題がないかをチェックします。この契約により、本人が安心して生活できる環境を維持し、問題が発生した場合には迅速に対応できる体制が整います。

見守り契約の主な役割は以下の通りです：

生活状況の把握: 定期的に本人の生活状況を確認し、異変がないかをチェックします。
健康管理のサポート: 健康状態を把握し、必要に応じて医療機関への受診を促します。
孤独感の軽減: 定期的な訪問や連絡により、本人の孤独感を軽減します。

財産管理等委任契約とは？

財産管理等委任契約は、本人が自らの財産管理を第三者に委任する契約です。この契約により、本人が判断能力を失う前から、財産の管理や重要な手続きを第三者に任せることができます。これにより、本人が安心して生活できるようサポートを受けることが可能となります。

よく勘違いされますが、この財産管理等委任契約は財産の管理を第三者に一括して任せるといったものではありません。

これを結んだら財産を好き勝手されてしまうのでは？というご心配の声をよく聞きます。

財産管理等委任契約の主な役割は以下の通りです：

財産の適切な管理: 本人の預貯金や不動産などの財産を適切に管理します。
日常的な手続きの代行: 公共料金の支払いなど、日常的な手続きを代行します。
重要な契約のサポート: 賃貸契約や売買契約など、重要な契約の手続きをサポートします。

少なくとも当事務所においては必要なタイミングでご依頼があればお手伝いするといったことをしています。
(銀行にお金をおろしに行ってほしい。妻が入院しているが支払いにいけないなど)

見守り契約と財産管理等委任契約の必要性について

任意後見契約だけでは、判断能力が低下する前や死後の対応が不十分になる可能性があります。
見守り契約により、判断能力が低下する前の段階での支援を受けることができ、財産管理等委任契約により、財産の適切な管理を継続的に行うことができます。

これらの契約を組み合わせることで、以下のようなメリットが得られます：

包括的なサポート: 判断能力が低下する前から後まで、継続的な支援を受けることができます。
本人の意思尊重: 本人の意思を尊重しながら、必要なサポートを提供することができます。
安心感の提供: 定期的な見守りや財産管理により、本人が安心して生活できる環境を整えます。

まとめ

見守り契約や財産管理等委任契約は、任意後見契約と併せて利用することで、本人の生活全般を包括的にサポートすることができます。これにより、本人の意思を尊重しつつ、安心して生活できる環境を維持することが可能となります。これらの契約の重要性を理解し、適切な支援を受けることが、より豊かで安心な生活を送るための鍵となります。

任意後見に関する業務の報酬について

任意後見契約書作成を致します。

依頼内容	報酬額	備考
見守り契約書＋財産管理等委任契約書作成	50,000円	契約内容により出張費などが別途必要です。
任意後見契約書作成	50,000円	契約内容により出張費などが別途必要です。
死後事務委任契約書作成	50,000円	契約内容により出張費などが別途必要です。